日本の場合はゼネコンへの利益供与のための巨大開発のための誘致

文春オンラインより

 オランダでのオリンピックやパラリンピックの人気は高く、代表選手がトレーニングする施設も最先端の設備が揃うスポーツ先進国だ。IMFの経済指標などを見ても日本よりよほど健全で、財政危機に陥っているわけでもない。五輪招致は可能な財務状況だ。
 しかし倹約国として知られるオランダは、前述した「国際社会における地位向上」、「経済効果」、「市民へのスポーツ振興と普及」などリターンが不透明なものに対して投資をすることに慎重で、それよりもインフラ整備や福祉や教育の充実など、はっきりとリターンがあるもの、国民の生活に確実にプラスになるものに予算を割きたい、と考える。この考えは、多くの国が持つべき観点なのではないだろうか。その国、都市、市民にとって本当に必要なものを見極め、決定していくのが政治家の務めだ。
 新型コロナウィルスの影響で、オランダもGDPが下がるなど影響を受けたため、おそらく五輪招致の話はしばらく保留になるはずだ。同国の五輪委員会にとって招致は悲願かもしれないが、オランダ政府には今後もこの独自路線を貫いてほしい気がする。

https://bunshun.jp/articles/-/45837

誘致の狙いは建設業界への利益供与のため

築地市場を廃止して豊洲に移転させるのさえ目的にもなっている五輪誘致

五輪誘致の段階で築地市場を廃止して豊洲に移転させ、築地市場の跡地に五輪のためのメディアセンターを設置するというのが当初の計画でした。
五輪が終わった後はデベロッパーに売却して都の収入としようとしたのでしょう。
その辺の背景があって誘致に当たっていた当時の石原慎太郎氏は誘致と並行して豊洲への移転計画を進めてきたわけです。

しかし、選考の過程で候補地は東京の他に福岡が候補に挙がっていました。東京での開催のPRポイントは既存のインフラを活用することで低コストで運営できるという謳い文句です。ところが実態は違うわけです。

余談ですが、福岡での開催ならこれまで西日本での開催はなかったので、納得はできるのですが、再び東京で開催されることに魅力は感じませんでした。

豊洲移転の狙いは築地市場跡地での巨大開発が本来の目的

実は移転させた後の築地市場跡地の再開発が目的で、このために五輪誘致をしたと言ってもおかしくない。箱物行政とも言われますが、この場合は建設することが目的とされています。実際は建設することではなく、建設業界の利益供与が目的で、そのために不要不急の建設をするということになっています。

なぜこれをするかというと、当時都知事にあった石原慎太郎氏自身が旧来の自民党にあったゼネコンとの癒着体質があったからだと考えられます。
これは旧来の自民党の闇の部分が影響しており、長年自民党は建設業界との癒着が強いため、利益供与という形で今必要なものかどうか精査するわけででもなくとにかく建設することを目的化した事業が横行します。
魚心あれば水心という言葉もあるように、業界から資金や票を提供してもらえるとなれば見返りとして便宜を図るものです。これが自民党特有の利権体質という問題点でもあります。

だから経済効果と言っても専ら建設業界への利益供与ということになります。
ここで問題になるのは末端の労働者や下請け会社には恩恵が少ないことです。大抵は元受けの大手ゼネコンがピンハネして下請けに丸投げということが横行しているからでもあります。

こんなことやっているなら震災復興や災害対策、インフラ整備に

正直東京五輪のための巨大開発なんて不要不急なんですよ。震災復興や災害対策、インフラ整備に回るようにしたほうが良いのです。
これは財源がどうのという話ではなく、人材や資材などをどうするかというのが問題です。
財源は十分にあっても、一度に調達できる人材や資材には限りがあります
従って緊急性の高い事業に優先的に調達ができるようにできなければなりません。
一時のお祭り騒ぎより、国民の生命や安全の確保、生活の場の復興の方が優先じゃないですか。

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