通貨発行を増やすとインフレになるという錯覚

実はデフレの理屈で説明しているという奇怪な現象も

デフレの原因は供給過多によることが主な原因で、それを大きく分けると需要を上回る過剰な供給によって値崩れが起きる場合と、賃金抑制の弊害などで、有効な需要を押し下げることで間接的に供給過多を起こしている場合です。

通貨発行を増やすとインフレになるという錯覚は通貨の過剰供給による値崩れと見てしまうことが事の問題と言えます。

本来のインフレの原因は供給不足から物価高騰を招いた相対的作用

インフレというと貨幣価値の減少と受け取られるんですよ。実態は供給不足によって財貨の相場が高騰した結果、同じ通貨で買える財貨の量が目減りしたことにあるのですが、これが貨幣価値の低下というインフレの間接的作用なのです。
しかし、供給不足で相場が上がっているのが事実であるのを直視せず、貨幣価値が下がっているから相対的に物価が高騰しているのだと錯覚するのです。

この考え方は金本位制の貨幣観が原因ではないかと考えられます。金本位制に立った貨幣観では貨幣を増加させるには改鋳により金の含有量を落としたりするので、その結果として貨幣の価値が下落するという現象が起こります。江戸時代の日本で元禄小判へ改鋳した時にインフレが起きたのは分かりやすい事例ですね。しかし、これは金本位制の貨幣制度だったからで、今の日本は金本位制でもなければ通貨も金と交換できる兌換通貨でもありません。

インフレの心配よりデフレの心配をしなさい

本来のインフレの意味するところは需要に対して供給が追いつかず需給バランスによって価格が高騰している状態にあることですから、供給側は強気に出てより高値の設定ができるようになった結果で、貨幣の流通量は直接関係ないのです。

自由経済はデフレとは不可分なのでむしろそちらを心配する必要があります。デフレの原因は総需要が足りないことの他に、需要を超えて供給過多になることも原因のひとつです。自由経済では各々の企業が沢山売って儲けようとしますから、供給量を増やそうと動きます。他の企業も考えることは同じで、どこも沢山売って儲けようと動きますので、その結果「合成の誤謬」という現象により総需要を上回る供給量が生じてしまいます。作り過ぎて大量の在庫を抱えてしまうことで、これが原因で値崩れを起こしてしまうことがデフレの引き金として作用していってしまいます。

元々計画経済はこのような事態を回避するために供給力が総需要を著しく超えないよう調整することにより、過剰生産によるデフレや不況の回避したり資源の無駄遣いを抑えることで資源の温存を図るという考え方の元で成立したとも言えるものです。
ただ、過度に介入し過ぎると需要の伸びしろの部分まで削いでしまうので問題が出てきます。自由経済に任せっきりでは製品の供給過多に対する引き締めができないので、調整する機能を持たせるために計画経済と折衷した混合経済が当面は現実的なのではないかと考えられます。

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